相続財産の管理
相続財産の管理と保存(民法第918条)
民法918条(相続財産の管理・保存)
- 相続人は、その固有財産におけると同一の注意を以て、相続財産を管理しなければならない。但し、承認又は放棄をしたときは、この限りでない。
- 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、何時でも、相続財産の保存に 必要な処分を命ずることができる。
- 家庭裁判所が管理人を選任した場合には、第27条乃至第29条の規定を準用する。
(1)超訳(関西のおっチャン編)
- さて、今回は相続財産の管理についてやな・・
まずは、民法918条1項や
- 相続が開始しても、相続人が「承認」するのか? 「放棄」をするか? が、わからんうちは、相続人としての地位があやふややろ?
- つまりや・・「承認」するか? 「放棄」するか? が、よ~わからん間は、あんたはまだ相続人とは言えんっちゅうこっちゃ。
とは言えや!!
- 父親が死んでもたら、その相続財産を、あんたも普通は相続するやろ??
いちよな、法の建前では、「多くの相続人は、まぁ単純に相続するやろ~」って考えてんねんやんか。
- ほんで、あんたが父親の相続財産を相続したら、あんたが元々持っていた財産とが、ごちゃ混ぜになってもて、特に相続財産やからと言って自分の財産とは別に管理する必要がなくなるっちゅうことを前提にして考えればや、相続人であるあんたは、父親の相続財産の管理について、「あんたが持ってる財産と同じ程度の管理をすればエエ」って、なってんねん。
- もしもやな、相続財産が、他人の財産やと考えるとや、「善良なる管理者の注意」を以て、相続財産を管理せなアカンっちゅうふうになってまうね。
でも、多くの場合は結局相続してまうことが多いから、そこまでの大げさにきっちり管理せなアカン義務までを相続人に負わさんでもエエやろっちゅうことになるんや。
- 因みに言うとくと、「相続を放棄」した場合は、そもそも相続人やないんやから、相続財産を管理する必要もなくなるっちゅうことな。
- そやさかい、あんたが相続を放棄したことによって、新しく相続人になってもた人が、今度は相続財産を管理するっちゅうことになんのや。
今日のワンポイントアドバイスや
- ここでいう、相続財産の管理っちゅうのは、
- 「保存」
- 「利用」
- 「改良」
の各行為のことを言うんやで、
- ええか? 万が一! 万が一にもや、相続財産に対して「処分行為」をしてもた場合には、単純承認したことになってまうさかいな。
引き続き、民法918条2項と3項や
- 相続人には、相続財産の管理義務があるちゅうたやろ?
- でもや、ひとくちに相続人っちゅうても、人それぞれにいろんな事情があるさかい、全ての相続人が相続財産の管理を十分に行えるっちゅう訳でもないわな~。
- で、そんな管理をようせん相続人がおったり、逆に相続財産を管理したい相続人がたくさんおったら、今度はだれが相続財産を管理してエエかが、わからんようになってまうこともあるんやな。 そこでや!
- 家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求によって、何時でも、相続財産の保存に必要な処分を命じることができるっちゅうことにしたんや。
- ここでいう相続財産の保存に必要な処分っちゅうのは、
- 「管理人の選任」
- 「相続財産の換価処分」など
を言うんやで。
- ほんで、利害関係人ちゅうのは、
- 「相続債権者」
- 「共同相続人」
- 「相続人が放棄することによって相続人となっちゃう者」
とかやな。
ワンポイントアドバイスや
- 例えばや、相続人が相続財産の管理中にや、相続債権者からの弁済の請求があった場合に、これを拒めるのか??ちゅう問題があるんや。
- いや・・おっちゃん・・それが問題やって、わかってんねんけど、それに関しては、やんごとなき理由で、はっきりと言いづらいんや。
- それでな、あんまりはっきりとはよう言わんねんけどな。
あんたが、その相続を「承認」するのか? 「放棄」するのか? を考えて
る間は、弁済せんとってほしいねん。
- もしもやで・・・あんたが弁済してもたら、あんたは相続に対して「単純承認」してもたことにされて、その後の放棄ができんようになる可能性があるわけや。
- 勿論、相続するつもりやったらかまへんねんけど・・・
まぁ・・よう考えてな・・・
- それとや・・・
例えばや・・相続を「承認」したとしても、「限定承認」っちゅう、ややこしい「承認」の仕方もあるんやけどな、その「限定承認」っちゅう承認をしたら、相続財産をもって債務や遺贈の清算をせんとアカンようになるわけや。